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BLですので苦手な方は注意です。
こちらはユリエスとは違ってゲーム内と同じ設定ですよん。
時期としてはED後。
少しでも楽しんでくださる事を願って^^
それでは、下記のリンクからどうぞ。
『光とともに』
今日はもう来ないのだろうか。
うっすらと空が白み始めるのを見てフレンはそっとため息を零した。
特別会う約束をしていた訳ではない。
だから、今日自分の元に来てくれなかったとしてもそれはしょうがない事だった。
けれど、今日だけは一緒にいたいと願ってもいいのではないのだろうか。
恨み言を言うのは筋違いと分かってはいても、どうしても言い連ねてしまう。
「それだけ会いたかったという事だよ、ユーリ」
自室の部屋からは邪魔なものなど何もないというに。
きっと、すばらしい景色が見られるというのに。
どうしてキミは来てくれないのか。
ギルドのみんなと騒いでいるのだろうと分かっている。
彼らを大事にしているユーリの事だ。
きっと、一年の終わりと一年の始まりという今日という日を一緒に過ごして欲しいと願われたら断れないのだろう。
それでも、自分を優先して欲しかったと願うのは我侭なのだろうか。
ため息を一つ吐いて窓を閉める。
彼が居なければこの景色を見る意味はないのだから。
わざわざ寒い思いをしてまで窓を開け放っている理由はないだろう。
フレンはそう頷いてベッドへと向かった。
「お。なんだよ、寝ちまうのか?」
その時、もうすでに諦めていた人の声を聞こえてまさかと足を止める。
あんまりにもユーリに会いたいと願うから幻聴が聞こえたのだろうか。
振り返るのが怖くてそのまま立ち尽くす。
「フレン?」
訝しげな声に幻聴ではない事を確信したフレンはそれでもやっぱり恐る恐る振り返った。
「ユーリ・・・」
「なんだ? 変な顔をして」
「どうして・・・?」
「どうしてって、会いに来ちゃ悪かったのか?」
不機嫌そうにむっと顔を顰めたユーリにとっさに「違う」と首を振る。
「今日はもう、来てくれないと思っていたから驚いて・・・」
「まぁ、確かに抜け出してくるのは大変だったな」
「やっぱりギルドのみんなで?」
「そ。年越しだーっていきなり宴会始めたもんだから俺も慌てたぜ」
最初からこちらに来てくれるつもりだったのかと思うと感激に胸が張り裂けそうになった。
「ユーリ!」
その感情のままに彼を抱き締める。
「おっ。ちょっ、フレン! 苦しいって」
「ごめん、つい嬉しくて」
頬が緩むのが止められない。
「まったく、しまりのない顔をしてるな」
呆れたような苦笑を零したユーリの頬にキスをする。
「しょうがないよ。分かっているだろう?」
「ま。そうだな」
と彼もまた柔らかな笑みを浮かべた。
「そうだ、ユーリ! 急いでこっちに」
「ん?」
先ほどまで締め切りだった窓はユーリが出入り口に使ったのか開いていた。
それを限界まで開いて二人で並んで地平線を見つめた。
そうして、それをまさに待っていたかのように光があふれ出す。
「すげーな・・・」
「そうだろう?」
感嘆の声を上げるユーリに見せられて良かったとほっと息を吐く。
そうして昇る朝日に照らされたユーリはひどく綺麗でフレンはしばらく見惚れた。
艶やかな黒髪。朝日を受けて輝きが宿る瞳。
世界中を渡り歩いている割には白いその素肌がさらに白く輝く。
「綺麗だ」
「ああ」
ユーリの事を言っているのに、ユーリは地平線から広がる光の洪水に目を奪われているせいかその光景の事を指していると思っているようだった。
それでもいいと思う。フレンは思う存分ユーリを見つめられてそれだけで満たされたからだ。
しばらく、ユーリの視線は朝日から外れないだろうと思ったのにふいにこちらを振り返って目を瞬いた。
「思った通りだ」
ははっと笑うユーリにフレンは首を傾げた。
「フレン。おまえ、キラッキラしてるぞ」
「え?」
何を言っているのかと思えば手を伸ばされ、髪を摘まれた。
「髪。金髪だから、朝日浴びてすげー輝いてる」
眩しいものを見るかのように目を細める。
その瞳に魅入られるかのようにフレンはユーリを見つめ返した。
「ユーリ・・・」
そっと顔を寄せると、ユーリは拒むことなく素直に瞼を閉じた。
啄ばむ様に何度か触れる。
唇で食み、その度に噛み合わせが深くなって行く。
二人の体も自然と寄り添い、互いの腕は互いの背に回っていた。
「・・・この景色を、一緒に見たかったんだ」
「いつだって見れるだろ」
「そうだけど、今日は特別だろう?」
「・・・確かに、そうだな」
「だから、ユーリは僕の元に来てくれたんだろう?」
「・・・まあ、そうかもな」
「素直じゃないね」
「うるせー」
ちゅっと頬に口付ける。
続いて目じりにと唇を寄せているとユーリが困ったように笑った。
「おいフレン。その一緒に見たかった景色はいいのか?」
「いい。もう見たし、それに今はユーリの方がいい」
「・・・相変わらず直球だな」
「ユーリは? 僕よりも景色を見ているほうがいい?」
唇同士の距離が一センチもない位置で囁く。
彼の瞳にフレンの瞳が写り込んでいるの分かるくらいの近くに居てどうして焦がれる相手よりも景色がいいと言えるのか。
「さて、どうかな」
素直ではない彼はからかうように目を細める。そうして、そう言いながらユーリの方から僅かなその距離を詰めたのだった。
*****
ユリエスが年越しならフレユリは初日の出。
そんな意味の分からない勢いで書きました(笑)
もうちょっと内容を詰めて書けばよかったかなー。
これは次回の課題にしたいと思います^^;
ユリエスに続いてタイトルが変なのには目を瞑って下さい・・・。
それでは、次のお話で会いましょう!
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