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正確にはレイ←リタです。
毎度おなじみタイトルが決まらず適当です^^;
もっといいのが浮かんだらタイトルを付け直しますね。
それでは、少しでも楽しんでくださる事を願って^^
『素直になれない』
彼はいつも、私を見ると困った顔ような笑顔を向ける。
それがなぜか最初は分からなかった。
私が子供だったせいもある。
あいつが大人だったせいもある。
何も分かっていない私に上手に真実を隠して器用に話題を逸らしてきた。けれど、根が正直なのだろう。隠し切れずに少しだけ、顔に出ていた。
それが、困ったような笑顔なのだ。
それを知ったのは、あの世界を変革した旅の終わりからずいぶんと経ってからだった。
親友がずっと大事にしまい込んでいた想いを、同じように相手のためと思って気持ちを隠し続けていた男に告げ、紆余曲折を経て想いを通じ合わせたのが、事の発端だったのではないだろうか。
旅をしていた時よりも少しは大人になった(はず)私は、以前よりも頭が柔らかくなった(らしい)。
親友が恋に悩む姿を見て、私も同じように悩んだ。
それは彼女を心配しているというよりは、同調しているといった方がしっくり来ていた事実に驚き、またなぜなのかと自問しながらも答えは出ない。
そんな日々を過ごし、彼女の想いが届いた時、ふいに気が付いた。
私も、『恋』をしているのだと。
だからこそ、彼女の感情に同調していたのだと。
そんなまさかと、欠片でもそう思った自分を鼻で笑った。
だってそうでしょう?
この私が!
よりにもよって!
あんな男に!
「ありえない」
吐き捨てるように呟いた私に、隣にいたその男は首をかしげて振り返る。
「どうしたの、リタっち」
そのとぼけた顔が憎らしい。
「なんでもないわよ」
「そう?」
そうやって深追いしてこないのも腹が立つ。
こうして意味深な言葉を吐いているんだからもっと突っ込んできなさいよね!
むしゃくしゃして手当たり次第物を投げつけたいが生憎とあるのは憎らしい男のみ。
私はひとしきり歯軋りをした後大きくため息を吐いた。
「最悪だわ」
なんで、こんな男に。
私の気持ちに気が付いていながら、私が何に腹を立てているのかわかっていながらそうやって知らないふりをするずるい大人。
「ねぇ」
「ん?」
「そんなに私って子供?」
「はい?」
唐突な私の問いに驚いたようで目を瞬く。
私が誤魔化すなよと目で訴えながらじっと見つめると、奴は「あ~・・・」となんとも言えない声を上げた。
『分かった』上での質問であると察したのだろう。ひどく困ったように頭を掻く。
「・・・おっさんなんてやめときなさい」
やがて、小さく笑った。
予想通りの言葉。
なんて、ひねりのない文句だろう。
「なんでよ」
「リタっちよりもずっと年上だし、メンドウな男よ、おっさんは」
「何をいまさら」
そんな事、はなから知ってんのよ。
「リタっちにはもっといい男と出会えるって」
何言ってんのよ。
「それに、リタっちの気持ちは一時のものだから大丈夫よ」
分かってないのはあんたの方よ!
馬鹿じゃないの! 馬鹿じゃないの! 馬鹿じゃないの!
「ふざけんじゃないわよっ」
本当になんでこんな奴!
「一時の気持ちを何年も抱えていられるほど、私は暇じゃないのよ!」
ぐいっと、だらしなく着込んだ上着を引っ張った。
まさかそんな実力行使に出ると思っていなかったのだろう。たたらを踏んだ男の唇に己のそれを重ねた。
驚きに目を見開いた男の目をまっすぐに見つめて私は言い切った。
「私は、あんたが好きなのよ、レイヴン」
せいぜい、困るがいいわっ!
*****
という事で、レイリタです。
厳密にはレイ←リタです。
リタがツンデレじゃない・・・^^;
ツンデレってどうすればいいんだー!
と、思いながら創作。
実際このカプはリタから動かないと発展しなそうですよね(笑)
とりあえず、楽しかったです。レイリタ♪
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