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台風ですね~。
外が荒れ狂ってます。
さて。
また起きぬけネタ!(笑)
でも今度は恋人同士です。
えろすはないよ!
なんていうか・・・ゴメンナサイ。
妄想が先走った・・・(笑)
読んでくださる方は下記のリンクからどうぞ。
じょり。
そのなんともいえない感触に郁はぱちりと目を覚ました。
さわさわ。と触ると、じょりじょりと感触が返ってくるこれは・・・。
ヒゲ!
カッ! と、目が開く。
そうか。そうだよね。堂上教官だって男の人だし、そりゃ生えるよね。
男の人だもんね。
いつもきっちりしている人だから考えもしなかったけど。
でも・・・。
「・・・そうか、教官だってひげ・・・生えるんだ」
無遠慮に、眠る堂上の顔に手を触れさせながら郁はぼんやりと呟いた。
「悪いか」
「うわっ!」
寝ているものだと思っていた堂上が目を開く。
その不機嫌そうな表情はどこか照れも含んでいて郁は慌てて手を引っ込めた。
「す、すみません」
謝りながらも、まじまじと顎の辺りを見つめると、不揃いに生えるヒゲがちらほらと見えて、郁はつい再び手を伸ばす。
じょりじょり。
ああ。この感触・・・。
なんていうか、懐かしい。
郁は記憶の彼方にしまい込まれていた幼少期を思い出した。
幼い頃からやんちゃだった郁は、父親を起こす時もやんちゃだった。
眠る父の腹にダイビングし、起きろ起きろとせがむと、父がたまりかねた様に起きて郁を捕まえるとそのまま布団に引っ張り込んだ。
大人しくしていろとばかりに抱きしめられて、それが暖かくて・・・嬉しくてきゃあきゃあ騒いだ。
暴れた郁が父の頬に手や頬が触れた時、じょりっとする感触に慄き、だけど、それがまた面白くてわざと触ってみたりして父が嫌がっていたのを思い出した。
「こら、やめろ」
「あ・・・。す、すみません!」
思わず、無意識に撫で回してしまった。
郁は頬を赤く染めて手を引っ込める。
「そんなに楽しいか」
聞かれて、郁は苦く笑う。
「楽しいというか・・・小さな頃を思い出しました」
「小さな頃?」
「はい。父の無精ヒゲもこんなかんじだったなーって」
郁の父親と同列に並んだのが微妙だったのか、堂上はなんとも複雑な表情を浮かべた。
「ヒゲの感触が痛いんですけど、子供心に面白くて嫌がられても触ってました。でも、逆に擦り付けられたら『お父さん、いたーい』って苦情を言って・・・」
あの時はまだ、今のように親子関係はギクシャクしていなかった。
「郁・・・」
堂上が郁を抱きかかえる。
と、頬に頬を擦り付けてきた。
「ぎゃーっ! ちょっ! 教官! 痛いっ!」
「なんだ。好きなんじゃないのか? これ」
「好きじゃない好きじゃない好きじゃないからやめて本当に!」
じたばたと暴れるとふっと力が抜けて今度はゆるく抱きしめられた。
「もー! 教官のせいで涙出てきた。教官のせいだ」
そう。
涙が出てきたのは教官がぐりぐりヒゲを押し付けてきたからだ。
「おまえがしつこく人の頬を触るからてっきり好きなのかと思ったんだがな」
「好きなんて言ってないもん」
「そうか?」
「教官なんて将来子供に同じ事やって嫌われちゃえ!」
「・・・郁」
子供じみた反論に堂上は呆れた表情を浮かべたが、やがてふっと優しい表情になって郁はどきりと胸をときめかせた。
「きっと、おまえの子供だったら、おまえと同じく忘れずに思い出にしてくれるんだろうな」
だったら一時嫌われるのもやぶさかではないな。
頭を撫でながら言うものだから、
「・・・・・・あたしの子供だったら、堂上教官の事、本当の意味で嫌いになんて・・・絶対にならないから大丈夫です」
なんて返してしまって、郁は今度こそ耳まで真っ赤になって堂上の胸に顔を埋めた。
なんだがすごく恥ずかしい事を言った自覚はあった。言葉の綾ですから!と言った言葉を覆したい気持ちで一杯だったけれど、堂上がひどく嬉しそうに表情を緩めて抱きしめてきたので、郁は何一つ言い返せないまま大人しく掴まっていたのだった。
余談だが、勢いでキスをしようとした堂上に、ヒゲを剃ってからにしてください!と拒否をされてひどく落ち込んだ堂上がいたとかいないとか・・・。
*****
ヒゲ話。
堂上さんにヒゲははえないよ!
という方、本当にゴメンナサイ。
将来、二人の子供が、堂上さんのヒゲと戯れてキャッキャッしているのを想像したら胸がほんわかしてしまって・・・(笑)
そこから生まれたお話なのでした。
ところで、堂上さんには胸毛は生えているんだろうか・・・(笑)
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