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上司部下で堂郁。
おかしい。
明るい話を書くはずだったのに・・・。
また真面目くさった話になりました。
なぜだ!
明るいらぶな話を書きたいと思って書き始めたのに目指していたラストを見失いました^^;
おかげでまだラスト未定です(笑)
上司と部下の微妙なさじ加減のらぶな話が書きたいですー(´・ω・`)
読んでくださる方は下記のリンクからどうぞ。
おかしい。
明るい話を書くはずだったのに・・・。
また真面目くさった話になりました。
なぜだ!
明るいらぶな話を書きたいと思って書き始めたのに目指していたラストを見失いました^^;
おかげでまだラスト未定です(笑)
上司と部下の微妙なさじ加減のらぶな話が書きたいですー(´・ω・`)
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それは一瞬の事だった。
「笠原っ!!」
堂上の絶叫が郁の耳をついた。
いったい何が起こったのか分からなくて、視界を覆う赤がひどく邪魔だった。
拭おうとした瞬間「やめろ!」とまたも堂上の鋭い声が響いて郁は上げた腕を下ろした。
熱い。
これは何?
なんでこんなに熱いの?
郁はぼやける視界の意味も分からぬまま、刺すような熱さが己の目に・・・正確には瞼に感じていた。
「笠原!」
誰か! 急げ! ―――逃がすなっ!
周囲が騒がしい。
たくさんの足音が聞こえる。
でも。それよりも。なんで。
「教、官が、こんなに近い・・・」
そう。
堂上の顔がこれ以上もなく近かった。
だが、とても視界が狭くて、もったいないなぁなんてのんきに思う。
だって、こんなに近くで教官の顔を見る事なんてそうそうないんだもん。
「なに、笑ってる」
苦々しく顔をしかめる。それがなんだかひどく辛そうに見えた。
どうしたんですか? 変な顔をしていますよ。
声をかけようとして、ふいに視界が闇に覆われる。
「もういい。目、閉じてろ。・・・・・・頼むから」
命令口調なのに、なぜが懇願を感じて郁は訳が分からないなりにも大人しく頷いた。
それで、堂上が苦しそうな顔をしなくなるなら、それでいい。
目を閉じた瞬間、融けるように意識が闇に引き寄せられた。
自分が意識を失ったのだと知ったのは、次に目覚めた病院のベッドの上だった。
「笠原! 大丈夫!?」
「瞼縫ったって本当!?」
「目は? 目は大丈夫なの!?」
寮に戻ると、共同スペースにいた郁を知る同僚が押し寄せてきた。それに驚き、半歩後ろに下がった郁の背中をさりげなく掌が支える。
おそらく、たぶん、きっと、よろけたと思ったのだろう。
だが、郁の頬を紅潮させるには簡単だった。背中に感じる熱。ひっそりと寄り添って、少しでも郁の負担を減らそうとしている、その人。
「大丈夫か」
そっけないけど、労わる様子が分かる。あまりにも近くから声がして脳が沸騰しそうだ。
郁は斜め後ろに立つ堂上に「大丈夫です」と言うと、堂上は頷いてそっと手を離した。
ああ。もったいない。
なんて思考が頭をよぎり、郁は何いってんの!違うから!と慌ててそんな気持ちを打ち消した。
一瞬存在を忘れそうになった同僚たちに意識を向ける。
「少し切っただけだから問題ないよ。切った場所が悪くて血がたくさん出たけど、傷自体は浅いから」
安心させるように笑うと、ほっとした表情をみせる反面痛々しそうに顔をゆがめている。
「にしても、左目をガーゼでしっかり覆っててるから痛々しくてしょうがないわ」
「大げさだよね」
なんて声を出して笑うと、それで安心したのか同僚たちは去っていた。
「堂上教官も、ありがとうございました。ここまで付いていてくれて」
このままここで分かれるものだと思っていたのだが、堂上は一向に立ち去ろうとしない。
「教官?」
「柴崎が来るでここで待つぞ」
不機嫌そうに腕を組んで、自販機の前にあるソファを顎でさした。
「え? え? あの! あたし大丈夫です! 片目ガーゼで覆われているけど、一人で・・・!」
「笠原」
有無を言わせぬ低い声で呼ばれ、郁は押し黙った。
なんだってこんなに頑なになっているのだろう。
郁はは困惑しながらも堂上に指示にしたがってソファに座った。
その瞬間も堂上は郁がソファの椅子に足を突っかけないか注意深く行動を見ていて、それとなく手がいつでも差し出せるように伸ばされていてひどく落ち着かなかった。
堂上は自動販売機でカフェオレとブラックコーヒーを買うとカフェオレを郁に渡した。
飲めと言う事らしい。
「あ、ありがとうございます・・・」
お礼を言って口をあける。
一口飲むとそのクリーミーな舌触りと甘さが知らず力が入っていたらしい郁の緊張を溶かした。
堂上は郁の傍らに立ったままで、その表情は相変わらず仏頂面だ。
「あの。座りませんか?」
言えば、堂上は少し考えるそぶりをしたが結局は郁の隣に腰をかけた。
ざわざわと人の絶えない夕刻の共同フロア。
郁と堂上はそんな中で不自然なほど沈黙の中にいた。
堂上は何も言わない。
ずっと難しい顔をしたままだ。
郁はそんな堂上をちらりと見る。
「なんだ?」
視線に気が付いた堂上はまっすぐに郁を見つめた。
その視線の強さにたじろぎながら、「柴崎、遅いですね」なんて無難な事しか聞けなかった。
堂上も「そうだな」と言ったきり何も話さなくて二人の間に再び沈黙が下りた。
そもそものこの怪我の原因は郁の油断だった。(と思っている。)
要注意利用者が不審な行動を取ったため、郁はその人物・・・男を確保するために投げ飛ばし、その手を後ろにひねり上て伏せさせた。
相手も観念したのか体の力も弛緩していてとても反撃してくる様子はなかった。それでも、過去の経験において戦意喪失をしていても最後まで油断はするべきではないと身を持っている郁は、応援が来るまで男を確保していた。
すぐさま今日のバディだった堂上が駆けつけ、その男を警備控え室まで連行しようとした時、背後で子供の大きな泣き声が響き渡った。
堂上と郁は同時に振り返った。
その、一瞬の隙を衝かれた。
意識が離れたその瞬間を、男は見逃さなかった。予想以上の身体能力を持って郁の手を振り払い、身を翻した。
もちろん郁も堂上もすぐさま臨戦態勢に入ったが、男の方がほんの一瞬早く、隠し持っていたのだろうカッターが袖口から出して振り回した。
目算を誤って避け損ねた結果、郁は瞼を切られ、切られた事を自覚していなかった郁は何故視界が赤く染まるのかも分からないまま、郁を傷つけて動揺する男を投げ飛ばした。
そして、出血と突然の激しい活動で、ほんの一瞬足元がふらついた。
堂上も何が起こったのか分からなかったのだろう。郁は堂上に背を向けていたから気が付かなかったのだと思う。
ふらつき、そのまま膝をついた郁を慌てて抱えた堂上はひどく驚いた事だろう。まさか部下の顔が血で染まっているなんて思いもしなかったのだろうから。
気が失う前、激しく名を呼ばれた事を覚えている。
「・・・・・・すみませんでした」
病院で目覚めて、怒鳴られながら事情を聞いた後にも堂上に頭を下げた。
だが、堂上は「おまえのせいだけじゃない」と言ったきり眉根に寄せた皺を増やしただけだった。
そして今も、堂上は眉根に皺を寄せた。
「おまえのせいだけじゃないとさっきも言ったはずだ」
「でも、あたしが気を散らさなければこんな事にはなりませんでした」
「・・・それは俺にも言える事だ」
「違います! あの時、あの男を捕らえていたのはあたしでした!」
捕らえた時、きちんと武器の所持の確認をしていれば、泣き声に気が取られてもカッターを引き抜かせる事態は避けられていたはずだ。
ああ。やばい。
堪えていたものが溢れそうになる。
目が熱くなってきた。怪我をした瞼もズグズグと痛みが走る。
その時、堂上の遠慮のない手が郁の頭を撫でた。
それこそ髪がぐしゃぐしゃになる程かき回されて郁は「何するんですかっ!」と顔を上げると、堂上は眉間に皺を寄せたまま何も言わなかった。
「・・・ああ。ここにいたんですね」
なんだかそれ以上の会話が出来なくて黙っていると、聞きなれた声に二人は顔をそちらに向けた。
堂上が腰を上げる。
「柴崎、後は頼んだ。・・・笠原、大人しくしてろよ」
それだけ言い残すと、残っていたコーヒーをぐいっと飲み干して空になった缶を捨てた。男子寮に戻るのかと思えばそのまま玄関に向かう姿にまだ仕事が残っている事を察して郁は項垂れる。
「・・・また、やっちゃったよ」
「あんたが何かやらかすのは毎度のことでしょ? どれ、見せてごらんないな」
ついっと郁の顎に指を添えて顔を上げさせる柴崎は、左目をガーゼに覆われた姿に綺麗な顔をゆがめた。
「すごい格好ね」
「見た目ほどひどい怪我じゃないよ」
「それでも、女の顔にこれだけ大きなガーゼが張り付いていれば、誰だって顔をしかめるわよ」
それに・・・と柴崎は一人ごちる。
女の・・・特に笠原の顔に傷をつけること事態、あの人にとってどれだけの苦痛になったか。
郁には聞き取れなかったのか「なに?」と聞き返されて、柴崎は「なんでもなーい」とそれ以上話すことはなかった。
*****
お、おかしい・・・。
なぜか続いてしまった。
何話で終わるのだろう・・・。
今3話目書いてます(笑)
腹据えて書ききるか、軽く流すか考えもの^^;
腹据えたら長くなりそうなんだもの!
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