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前回言っていたとおりのエロではありませんが、ユリエスのように初々しいと言うか・・・まぁ、純粋ではないです(笑)
けっこう直接的な言葉が出てきますので苦手な方はご注意。
ちなみに題名が思いつかなかったので無題です(笑)
そして、言わずもがなBLですので嫌な方はけして見ないでくださいね。
興味のある方はどうぞ。
ただし、気分が悪くなっても責任は取りかねますので自己責任でお願いします。
それでは、どぞ!
ずっと、一緒にいた。
この先も一緒にいると思っていた。
けれど、二人の道はいつの間にか分かたれていた。
つかの間の邂逅も僅かしかなく、ただ。
ただ、キミへの想いばかりが募って。
「ユーリが好きだ」
そう告げた時の彼の顔が忘れられない。
大きく見開かれた目は、信じられないと語っていてフレンは苦笑する。
「驚いた?」
「・・・そりゃ、驚くだろ」
察しのいいユーリはフレンの言葉を正しく理解していて、その上で誤魔化して逃げようとしなかった。
それを良しとすればいいのか分からない。
けれど、ただ一つ分かったのは、ユーリの中でフレンの存在はフレンと同じものではないと言うことだった。
「あー・・・」
艶やかな髪を乱すように頭をかいたユーリは困っているとばかりに言葉を詰まらせた。
「気持ちに答えてほしいと言っている訳ではなかったんだけど・・・。ごめん。困らせたね」
謝るとユーリは片方の眉だけを上げるという器用な真似をする。
「じゃあ、おまえは何でそんな事を言ったんだよ」
「・・・なんでかな」
久しぶりに顔をあわせたからかもしれない。
会いたいとずっと思っていた。
夢にまで見るほどに焦がれていた人と偶然に再会したら、気持ちが溢れた。
深い瞳の色に引き込まれて、これ以上もないほど愛しさが込み上げてきて、押さえ込むことなんてできなくて、だから・・・。
「・・・おまえはなんでそんなに冷静なんだ?」
確かに、告白をした割に落ち着いているとフレン自身も思っていた。
「ユーリが、僕を幼馴染としか思っていないって知っているからかな」
「だったらなんで・・・」
告白なんてしたんだ。そう、続けるユーリにフレンはただ笑みを浮かべるだけだった。
「しょうがないよ。好きなんだから」
「おまっ!」
珍しく焦るユーリに笑が込み上げる。
ケタケタと笑うフレンにユーリは大きくため息を吐いた。
「いつからだよ」
「さあ。いつからだろう。・・・分からないよ。気が付いたらきみが好きだった」
「物好きだな」
「本当だね」
難しい顔をするユーリがやっぱり面白くてフレンはまた笑った。
「最初は寂しかっただけだったはずなんだけどね。どこで変わってしまったのだろう」
今のフレンは純粋にユーリを慕っていた頃のフレンではない。彼を前にして男として生まれる欲を確かに持っていた。
今だって心のどこかで抱きしめてキスをして押し倒して、そのしなやかな体に口付けて噛み付いてその肌の味を舌先に掌に全身で感じたいと思っている。貫いて一つになって悦楽に歪む彼を、どうして見たくないと思えるのか。
けれど、これを言えばユーリは確かな嫌悪を持ってフレンを見るだろう。
告白はしたが、二人の関係を壊したいと思っているわけではないのだ。そんな煩悩がある事など知らなくていい。
けれど。
「キスをしても、いいかい?」
「は?」
「一度だけでいいんだ。それ以上は望まないから」
「・・・・・・」
じっとこちらを見つめるユーリを、真正面から見つめ返す。
この気持ちに偽りはない。けれど、過剰に求めることもしないから。
「最初で最後。その後は今までと同じ幼馴染にもどるよ」
約束すると言えば、ユーリは先ほどよりも大きくため息を吐いて小さく笑った。
「しょうがねぇな。そんな追い詰められた顔されたらダメだなんて言えないだろ」
そんな顔をしていたのだろうかとフレンは苦笑し、最初で最後の我侭を受け入れてくれた親友の頬に指先を触れさせた。
「ありがとう」
囁くと、「おう」と男らしい返事か返ってきてフレンもまた笑った。
互いの顔が近づく。
ユーリの僅かに伏せられた目元が赤く色づいているような気がして嬉しかった。
そうして、そっと触れ合わせた唇は、思っていた以上に柔らかくてフレンの中の雄を刺激する。
すぐに放すつもりだったのに、それができずに何度か唇でつばむ。
「ん・・・」
小さくこぼれたユーリの声。
残酷なほどに優しいユーリ。
もう少し深く重ねてもいいだろうか。
顔の角度を変える。
すると、急に深くなった重なりに驚いたのだろうか。ユーリの唇が緩んだ気がした。フレンはそんなユーリの唇を舐め、その奥へと舌を忍ばせた。
「んんっ」
やはり驚いていたらしいユーリが目を開いたのを感じてフレンもまた目を開ける。
これ以上ないほど近くで見つめあいながら、フレンは逃げたユーリの舌を探り、絡め取って吸い上げた。
「ん、んんっ! ・・・っあ。ちょっ、フレ、ン」
戸惑った声を上げるユーリは、今まで見たこともないほど色っぽかった。
もともと色気のある男だが、今はセクシャルな事をしているからか余計だった。
「・・・ごめ、ん」
くらり、とその色香に惑いそうになって慌てて距離をあける。
互いに乱れた呼吸を整えながらフレンはユーリに背中を向けた。
そうでないとまたあの唇に惑いそうだった。口付けに濡れた赤い唇はそれほどに魅力的だったのだ。
「そ、それじゃ、僕は行くよ」
「・・・ああ」
一歩進みかけた所で、立ち止まると僅かに後ろを振り返った。
「次に会うときは、ちゃんとしているから、だから安心してくれ」
今はまともに顔も見る事はできないけれど。
フレンはそう言うとユーリの返事を聞く前に立ち去った。
後に残されたユーリは、思わず呼び止めようと伸ばした左手をおろす。
そうして忌々しそうに唇を拭った。
「あのやろう。あんなん仕掛けといて・・・」
何が一度だけ、だ。
何度も、何度も口付けて、挙句の果てに舌まで絡めておいて何が『だけ』なのか。
「くそっ」
ミイラ取りがミイラになる前に、この唇に残った感触を一刻も早く忘れなければまたあの唇に触れたくなってしまう。
ユーリは何度も何度も己の唇を拭う。
「・・・フレンの馬鹿野郎」
その声がすでに焦がれた響きを持っている事など気づく事もなく、ユーリは今はもういない幼馴染へ悪態を吐き続けていたのだった。
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初フレユリでした。
こんな感じでいいのでしょうか^^;
いきなり煩悩に走ったような内容で申し訳ないです。
もう少しほのぼのな展開でもいいかもしれませんが、もうしばらくこんな展開かもしれません^^;
良かったらまた次回も読んでくださいねー^^
ではでは。
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