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『大事な事』の後編です。
が。
まとまらなくて長くなってしまった^^;
その上真面目くさった内容になりました。
苦手な方は回れ右!
で、お願いします。
前編で終えてもなんら問題のない作りになっていますから大丈夫ですよ!
読んでくださる方は下記のリンクからどうぞ^^
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郁の様子がおかしい事は最初から分かっていた。
少しぎこちない笑顔を向けてきた時、当然「どうした?」と聞いたが、郁は「なにがですか?」ときょとんとした顔をで聞き返してきたので、ぎこちなく見えたのは気のせいなのかと堂上はそれで引き下がってしまった。
その後の郁は時折何かを考え込んでいるようなそぶりを見せた。
何か悩みがあるだろう事は容易に分かったが、無理に聞き出していいものなのか悩む。
仕事の事なら上官として話を聞ける。
プライベートでは・・・恋人として聞ける範囲はどのあたりまでなのだろうか。
ぬいぐるみを手に取りながら可愛い笑みを浮かべる郁を見つめる。
ずっとこうして笑っていてくれるなら、なんだってするのに。
郁を傷つけるすべてのものから守ってやるのに。
考えて苦笑する。
原因も分からないのに先走りすぎた思考だったか。
でも、その気持ちは本物だ。
「教官?」
どうしたんですか?と首を傾げる郁の髪を撫でる。
「・・・可愛いな」
郁の事を言ったのだが、郁は手に持ったぬいぐるみの事だと思ったようで「ですよね!」と大きく頷いた。
それがまた可愛くて、堂上は口元が緩むのが押さえ切れなかった。
郁の様子が顕著に変わったのは、夕食を食べて、さぁホテルへという流れになってからだった。
「もうちょっとお酒のみませんか!」
いつもなら頬を赤く染めて頷く所を、今日に限っては焦った様子で引き止めた。それも、酒が弱いくせに酒を飲もうといって。
「いや、だって。いつもあたしに合わせてあんまり飲めないじゃないですか」
それは一見こちらに気を使った言葉だったが、堂上にはこれが言い訳である事などすぐに分かった。
「嫌なのか?」
思わず声が硬くなってしまい、郁が顔を強張らせたのが分かった。
違う。そうじゃない。怖がらせたい訳じゃない。と舌打ちして、堂上は立ち上がる。
「郁、ここじゃ落ち着かない。行くぞ」
「で、でもっ・・・」
始終店員が歩いている店内では、何かと気を取られる。
しかもこういう時に限って周囲には何か良くない事が起こっていると分かってしまって他の客の意識を集めかねない。
誰に見られようとそんな事は気にしないが、気が散る。
堂上が辛抱強く待っていると、郁はようやく腰を上げて不安げに堂上を見た。
「ちゃんと話は聞くから、そんな顔をするな」
苦笑して、手を引くと郁は少し口元を歪めて俯いたのだった。
いつもだったら部屋に入ったとたん、キスの一つでもしたものだが今日はそんな事もなく、堂上はベッドに腰掛けた。
郁はどこに座ったものか悩んでいるのか立ち尽くしたままだ。
「郁」
正面に座るように促すと、郁は素直に堂上の正面に座った。
「何かあったのか?」
「え?」
「今日、会った時から様子がおかしかった」
言えば、郁は驚いたように俯いていた顔をあげた。
「そ、そんなに分かりやすかったですか?」
「おまえ、自分の感情が顔に出やすいって自覚がなかったのか」
俺はそのことに驚きだ。と、息を吐く。
「いや。それは・・・分かってますけど」
隠しおおせたと思っていたらしい。
「俺には話せないことか」
少し拗ねた言い方になってしまったが、恋人なのだ。許される範囲のはずだ。
郁はそんな堂上に目を瞬かせた。その直後、郁は頬を赤く染める。
「いえっ。そんな事は! でも、その。・・・ちょっと・・・なんて言ったらいいのか」
ひどく焦ったように言い募るその様子に、堂上は郁を見据えた。
「・・・今日は気がのらないか?」
郁がその気にならないのならそれはそれでしょうがない。
抱きしめて直接体温を感じたいと思うけれど、無理強いをしたい訳ではない。
それに、もしかしたら体の都合がつかなくなったのかもしれない。
確か二週間ほど前に体調を崩していたようだったが、激務の戦闘職種だ。いろいろとバランスを崩してもおかしくはない。
女性の体は繊細だ。
それならそうと言ってくれればいいのだが、こちらを気にして言い出せなかったのかもしれない。
そう自己完結しそうになった時、「ち、違うんです!」と、振り絞ったような声で郁が叫んだ。
「気がのらないとか、そういうんじゃなくて! だから! そのっ!」
顔を真っ赤にさせて、そして今にも泣きそうな顔をして堂上を見つめている。
「・・・・・・・・・・・・・っ!」
けれど、その後に続く言葉はなく、郁の目からとうとう涙が零れ落ちた。
それに驚いたのは堂上の方で、いったいなんで郁が泣き出したのか分からない。だが、はらはらと涙を溢れさせる郁をそのままに出来ず引き寄せた。
抵抗もなく胸に落ちてきた郁は堂上の肩口に頭をのせる。
「ごめ、なさい。泣きたい訳じゃ、ないんですっ」
「・・・ああ」
分かっている。
上手く言葉に出来なくてもどかしいのだろう。
「教官に、触って欲しいです。気がのらないんじゃ、ないんです。 ・・・でも、その・・・」
顔が見えないからか、先ほどと打って変わって素直な言葉が降ってくる。
辛抱強く待つ。
「・・・・・・今日は・・・危ない日だって」
「は?」
一瞬なにを言われたのか分からなくて妙な声を上げてしまった。
その後、急速に回転し始めた思考が一つの言葉を脳内に持ってきた。
そう。『危険日』。
それはつまりそういう日の事を指す言葉。
堂上が絶句していると、郁は堂上が分からなかったと思ったのかさらに言葉を続けようとした。
「だからっ。あの・・・っ」
「いや。分かる。分かるが・・・そうか・・・・・・」
今まで郁の口から『危険日』なんて言葉がなかったから堂上自身もうっかりしていた。
しっかりと避妊はしているが、いざそういう日なのだと言われると堂上も躊躇う。
いや。嫌なわけじゃない。
むしろ、郁との間に子供ができるのは素直に嬉しいと思う自分がいるのは確かだが。
とりあえす総合して考えると、郁はこれを言うのに今日一日様子がおかしかったという事であっているのだろうか。それを聞くと小さく頷くのが分かってとりあえず安心する。
「・・・・・・今日は、やめておくか?」
しばらく躊躇って、郁に尋ねる。
『絶対』は、ない。
それは分かっている。
いくら細心の注意を払っても、予想外の展開になる事もある。
だから、郁が不安ならしない。
背中を撫でながら郁の反応を待つ。
「・・・教官、は。その気に、ならないですか?」
ふいに郁が顔を上げた。
顔を真っ赤に染めて、羞恥に耐えるように瞳を潤ませ、唇を噛むその姿にくらりと理性が揺さぶられる。
だれがその気にならないものか!
できるなら今すぐ押し倒して郁のすべてを感じたいと思っているのに!
だが、己の欲以上に郁が大切なのだ。
もし、万が一、避妊に失敗した時、誰よりも負担を抱え込むのは郁の方だ。
心も、体も、誰よりも辛い思いをするのは自分ではない。
分かっているから、そういう日だと言われ、簡単に手を伸ばす事が出来ない。
・・・いや。これは嘘だ。
本当は、ほの暗い欲求が生まれた。
もし。
避妊が失敗したら。
郁は、自分の許から離れられなくなる。
―――と。
今のご時世、中絶も一人で産み育てるものもめずらしくはない。
郁が離れないなんてそんな保証ないのに、一瞬、心の奥底に生まれた執着が郁を穢した。
何よりも誰よりも明るい笑顔が似合う郁を、その笑顔を摘み取るようなマネ、できるか。
堂上は小さく笑う。
「俺は、郁を大事にしたい」
「・・・教官」
「今すぐ郁を抱きたい気持ちはある。だが、今だけが良ければいい訳じゃないだろ」
くしゃりと、郁の髪を撫でた。
「俺は今、こうしているだけでもいい」
言い切ると、郁は頬を赤く染め、戸惑うように視線を彷徨わせる。
「あたしは・・・」
声が揺らいでいた。
「堂上教官が・・・好きです」
それは、どういう切り替えしなのだろうか。
意図を測りかねて堂上は郁を見つめた。
だがそれ以上郁は応える事はなく、堂上の肩口に顔を埋めてしまった。
ぴったりと体を寄せ、手を背中に回す。
「郁・・・」
つまりは、そういう事でいいのだろうか。
「・・・俺のいい様に解釈するぞ」
髪に唇を寄せる。
小さく、頷いた気がした。
*****
うおーっ!
中途半端だーっ!
だけど! 今の私ではこれが精一杯だ^^;
なんというか・・・現実的な柴崎の話と、心情的な堂上さんの話になってしまった。
つまりは堂上さんは郁ちゃんが大事なのさって事です。
ああ。要修行だわぁ。
そのうち書き直すかもしれません・・・。
みなさまごめんなさい。
読んでくれてありがとうござます^^
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