忍者ブログ
HOME Admin Write

期間限定部屋

期間限定でSS書いたり、ネタバレ感想書いたりしている部屋。 その時その時で旬ものは変わる…予定

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

梅雨明けせんげ~ん!

夜になっても暑いですね、って話です(笑)
恋人期間中堂郁です。



読んでくださる方は下記のリンクからどうぞ~。










 その日は、堂上の残業がなくて、郁も目立った失敗がなかった。
 めずらしく定時に帰れる二人は、帰りに食事をしてから寮に帰る事にした。

 近くのカジュアルレストランで軽くお酒を嗜みながら、二人だけで過ごす。

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまって、帰宅する時は寂しくて仕方がなかった。
 でも寂しいのは、帰るからだけではない。
 今の季節は夏で、まとわり付くような暑さが夜も更けたこの時間でも残っていた。

 分かってる。
 分かっているけど。

 でも。

 ちらり、郁は一歩先を歩く堂上の左手を見つめた。
 歩みと共にゆれるその腕。

 今、郁と堂上は手をつないでいなかった。
 いつもなら繋いでくれるのに、今日に限ってなぜ? なんて、ずっと脳内を駆け回っている。

 これから寮に帰るから?
 からかわれるのなんて百も承知でデート帰りは寮の敷地内に入るまでは手をつないでいるのに?

 暑いから?
 汗をかく手が気持ち悪いとか? 

 は! まさかそれか! 夏の暑さで汗ばんだ私の手を握りたくないのか!
 そういえばこの間のデートの時に汗かいていたかも!

 郁はこっそりと、でもごしごしとスーツで拭く。
 
 こ、これで、大丈夫かな・・・。
 なんて考えているうちにまたじわりと汗をかいているような気がして項垂れる。

 でも、でもでも!
 手が、繋ぎたいな・・・。

 諦めきれなくてじっと見つめる堂上の手。
 その手はいつも優しく郁の手を包んで強引ではない力でリードしてくれて、ドキドキするけれどそれと同じくらい嬉しくてウキウキする手だ。

 ・・・どうしよう。

 手、汗ばんでるけど、でも、あたしから、手・・・つないでもいいのかな?
 図々しいって嫌われない?

 ちらり、堂上の顔を見る。
 視線に気が付いた堂上が柔らかく微笑んで「どうした?」って問いかけられて慌てて首を横に振って俯いた。

 やばい!
 その笑顔はやばいよ!
 し、心臓が破裂しそうだ。

 郁は無意識に胸元に手を当てた。
 手に伝わる鼓動が激しいのが分かる。

 ああ。
 やっぱり手が繋ぎたい。

 教官! 笠原、教官と繋がっていたいです!


 勇気を出して自分から手を伸ばす。

「・・・・・・っ」

 でも、今一歩思い切りがなくて堂上の手をしっかりと捕らえる事が出来なかった。
 小さく、笑う声が聞こえた。

「遅い」

 足を止め、堂上が振り返る。
 その顔はさっきのように優しかったけれど、少し頬が赤く見えるのは気のせいか。

 堂上は郁の指が絡まった手を上げた。
 そこには、申し訳程度に堂上の小指に絡まった人差し指と中指。

「郁、全部だだもれ」
「!!!!!」

 恥ずかしくて死にそうだ。
 郁は熱くなる頬を隠すために全力で俯く。

「いつまでたっても手、伸ばしてこないから諦めるところだった」
「だ、だってあたし! 手が、あ・・・汗ばんでるんですよ! 気持ち悪いかもしれないしっ! あたし、教官に嫌われたくなんてありませんっ!!!」

 力の限り言い切ると、堂上は堪えきれないとばかりに笑い声を上げた。
 そして。

「バーカ」

 指が絡まっていない左手で小突かれた。

「俺だって汗かいてる。でも、おまえと手が繋ぎたい」

 するりと堂上の薬指と中指、人差し指が郁の掌に滑り込む。そして、ぎゅっと握られて郁はどうしようもなく頬を紅潮させた。

 きっと、闇夜に紛れても隠し切れない。

「嫌か?」

 くすりと笑って堂上は郁の手を引いた。引っ張られるように一歩踏み出る。

「・・・・・・嫌なわけ、ないじゃないですか」

 そもそも最初に手を繋ぎたがったのは郁の方だ。
 嫌悪など、最初からない。

 分かっているくせに。

 郁もまた、堂上の手をきゅっと握る。
 堂上はそんな郁を満足そうに見つめて歩き始めた。

 今度は一歩後ろからじゃなくて、一緒に並んで。

 互いの手が、同じ熱を持つ。

 まとわり付くような夏の熱気は夜が更けても残っていたけれど、二人は互いの手を、近くにある存在を不快だなんて一欠けらも思うことはなかった。






*****

教官が最初に手を繋がなかったのは、悶々とする郁を見たかったからですよ!
繋がりたい。なんてたとえ本当は手の事だって分かっていても別の事に変換して脳内ピンク色だったに違いないんです!

って、私はどこまで堂上さんをえろおやじにするつもりなんだ(笑)

いや、本当に書きたかったのは堂上の小指に絡まる郁の人差し指と中指なんですけどね^^;
真っ赤な顔で俯きながら堂上さんの小指に指を絡ませるんですよ。
で、いっぱいいっぱいの郁ちゃんを堂上さんはこっそり見てにやけるっていう・・・。

シチュエーション萌えって奴ですかね?
だれかこれ絵で表現してください(爆)

もう一個これとは違うものでシチュエーション萌えがあるので、近いうちに書けたらいいなと思います。
では、次回!


拍手[56回]

PR

この記事へのコメント

お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧

この記事へのトラックバック

トラックバックURL:

カレンダー

04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

プロフィール

HN:
かなた藍
性別:
非公開
自己紹介:
突発的な萌えの発露を行う部屋です。
なので、その時その時でメインで扱うジャンルは変わると思われます。

現在は図書館戦争。


ブログ内検索


アクセス解析

カウンター


Copyright ©  -- 期間限定部屋 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 押し花とアイコン / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]