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お月様をみたら、お月様関連のお話が浮かびました。
お月様=女性特有のお話ですので、苦手の方はご注意をー。
恋人同士期間で郁と柴崎です。
読んでくださる方は下記のリンクからどうぞ。
お月様=女性特有のお話ですので、苦手の方はご注意をー。
恋人同士期間で郁と柴崎です。
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「よし! 送信・・・っと」
ベッドの上、にまにまとにやけながら携帯電話を胸に抱きしめたのを見て、柴崎は明日の郁の予定を察した。
おそらく・・・いや確実に付き合いも一年が経とうとする恋人とデートだろう。(決め手はベッドの上でメールだ!)
そう。付き合いだして一年経とうとしているのに、郁は相変わらず付き合い始めの頃のような初々しい様子でデートの予定を恋人と立てているのだ。
そりゃあ、大好きな彼氏とのデートが楽しみでないはずはないけれど・・・と過去の己を思い出す。
ここまでキラキラとしながら予定を立てたのはどれぐらいまでだったかな、なんてちょっと悩んでしまいそうなほどここ何年か『恋人』と呼べる相手はいない。
そもそも、郁が恋人を想う様にかつての『彼氏』を好きだったのか、正直なところ自信がなかった。
明日はなにを着て行こうかなー。なんて呟いている郁を眺めながら、柴崎はふとある事に気が付いた。
「ねぇ、笠原。明日外泊予定?」
さらり聞くと「え!!」と頬を真っ赤に染めて郁は飛び起きた。ややあって「・・・そうだけど」と消え入りそうな声で答えるのは、つまりはソウイウ予定である事を柴崎に知られる事が恥ずかしいのだろう。
なにを今更。と柴崎は呆れる。
「恋人同士なんだからやることやっていて当たり前でしょう。今更照れない」
「いや、でもさ・・・やっぱり」
と真っ赤な顔でごにょごにょいっている姿は可愛い。
きっと彼もこんな郁が可愛くて堪らないのだろうな。と、かつて郁と柴崎を鍛えた『鬼教官』であり郁の『恋人』、図書特殊部隊・堂上班班長、堂上篤二等図書正を思い浮かべた。
きっとでれでれと相好を崩しているのだろうな、と思うと少しばかり乾いた笑みが零れそうになった。
「いつまでたってもバカップルでいいわね・・・」
と呟いて、柴崎は今言いたいのはそれじゃない、とずれそうになった思考を元に戻した。
「あんたさ、ちゃんと危険日とか把握してる?」
「へ?」
なにを言われたのか理解できなかったのか、郁はずいぶんと間抜けな声を上げる。
「確か二週間ぐらい前に生理きてたわよね」
「え? えー・・・と。うん。そうかも」
柴崎も近いもんね。確か二人揃って重なってた。
なんてのんきに言う。
そう。前回の生理の時、柴崎は郁の予定日と重なった。だから覚えていたのだが。
「で? どうなの?」
なんだかちょっと不安になって尋ねてみると、郁は「危険日って何の危険日?」なんて首を傾げて聞いてきた。
あんたは本当に二十も半ばを過ぎた女か!
思わず頭を抱えた。
「笠原・・・なんで女に生理があって、周期で生理がくるのか説明して」
「な、なに? 急に!」
「い・い・か・ら!」
柴崎の剣幕におされたのか、郁はビクリと肩を震わせてからやがて口を開く。
「えーと。女に生理があるのは赤ちゃんができる為で、生理が来るのはその時赤ちゃんが出来なかったからでしょ?」
間違ってはいない。間違ってはいないけど、やっぱり分かっていないのか。
「じゃあ、排卵期っていつ頃なのか分かる?」
「え? ・・・・・・・・・・・・えー・・・と?」
ぽりぽりと頭をかいて誤魔化すように笑う。
「笑ってる場合じゃないでしょう。大事な事よ」
呆れたようにため息をつけば郁は「う・・・」と押し黙った。
「いーい? 妊娠しやすい時期とそうじゃない時期があるのは分かっていると思うけど、その妊娠しやすい時期っていうのが排卵期なの。で、その排卵期を『危険日』って言ってるの。ここまではOK?」
郁が頬を赤く染め、体を小さくさせながら頷く。
「排卵期はいつなのかというと、生理が来てから約二週間後」
「!」
郁の顔を強張る。
「私が最初に聞いたのはそういう意味よ」
分かった?と問うと郁は少し青ざめた表情で柴崎を見つめた。
「正確な排卵日は基礎体温測ってないと分からないし、赤ちゃんが欲しい人はともかく、普段基礎体温を測っている人は少ないわ。私もそうだしね。でも、だからこそ、出来やすい頃っていうのは気をつけなきゃいけないのよ」
「で、でも、ちゃんと・・・その、ひ、ひ、ひに・・・」
ん、と言い切れず、尻すぼみしながらも最後は「・・・してるよ」と繋げた郁の顔は真っ赤だ。
「避妊は絶対じゃないでしょー? 何らかの理由で失敗する事だってあるの」
「何らかの理由って?」
「穴が開けられてたり、不良品だったり、つけ方が悪かったり。・・・まぁ色々よ」
郁が不安げに黙り込む。
「堂上教官の事だからその辺はしっかりしていると思うけど、笠原も自分の体の事は把握しておいたほうがいいわよ。今日はこういう日だからって言えば、いつも以上に気をつけてくれると思うしね」
予期せぬ事態になったらお互いに大変でしょう、と口にしかけてやめる。
ここから先は当事者二人が話し合えばいいことだ。余計なおせっかいはここまでにしておこう。
また斜めに思考が飛躍していないか少しばかり心配だったが、そのあたりの修正は堂上に任せることにして、柴崎は女だからこそできるサポートすればいい。
「最近はそういう生理日予告をしてくれる携帯サイトとかあるのは知ってる?」
明るく声をかける。
「そんなのあるの!?」
「CMでもしてるじゃない。知らない?」
「あー・・・そういえばあったかも?」
「それで排卵日の予測とか出してくれるから、利用する手はないわよ。自分で日にちとか数えなくて楽だしねー」
言えば、郁の表情が少し明るくなった。
「サイトのアドレス、メールで送るから笠原も見てみるといいわよ」
「うん。そうする。 ・・・・・・ありがとう、柴崎」
はにかむ笑顔が可愛い。
本当、堂上教官にはもったいないわ。
柴崎は問答無用で郁に抱きついた。
「ぎゃーっ! だからどうして急に百合になるかな!」
油断していたらしい郁が時間帯も考えずに騒いだ結果、隣室から苦情が来たのはまた別の話である。
*****
うおー。この後堂上さんと郁の会話が続くはずだったのに長くなった^^;
という事で、次のUPは堂上さんと郁のお話・・・になるはず。
続けて書きたかったのですが、眠いので寝ますー。
明日(というか今日)は休みなので昼間UPを目指しますよ!
ではまた次回!
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